2010年01月27日

これぞ協力隊活動(喜)、これぞ南米(哀)

 みなさん、こんにちは。残り2カ月の任期を切り猛ダッシュの阪長です。あれやこれやいろんなこと企画しています。

 まずは2月末、3月初めに開催予定のコパ・デ・トモ(トモカップ)の説明会を各チームに行いました。

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 この大会は子供たちならびに指導者や保護者に試合の中で規律や協調性を学んでもらおうというもので、僕が主催し特別ルールをたくさん使用します。

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 例えば、時間の守れないコロンビア人のために、
 試合時間の1時間前に到着し45分前にはメンバー表を交換しウォーミングアップを開始する。1時間前に来ていない選手は3回終わるまで試合に出れない。

 例えば道具を大事にできないコロンビア人のために、
 道具を投げたら1点減点。

 試合時間が長くだらだらした試合が多いことを改善するために、
 投手は10秒以内に投げなければボーク。

 グラウンドを自分たちできれいにするという考え方がないコロンビア人のために、
 試合後は各チーム数人ずつを出しトンボでグラウンド整備、などなど。

 金曜日5時から開いたミーティングにはほぼ全チームが時間通りに集合(これ、コロンビアでは奇跡)、そして僕の思いをしっかり理解してくれている野球協会が主になって特別ルールの説明をし各指導者たちも真剣に聞き、質問も積極的に飛び交っていました。

 翌土曜日はトンボ作り。これコロンビアに来た時からやりたかったんです。

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 コロンビアの選手や指導者たちはグラウンドに感謝するという気持ちがない。日本人のようにグラウンドがあるから野球ができるという感謝の気持ちはなく、グラウンド整備もせずにイレギュラーしたらボールが跳ねたからおれは悪くない、グラウンドが悪いんだ、といった具合です。いやいやそうじゃないでしょ。

 成長するためには言い訳をする環境を極力減らすんです。トンボを作り、自分たちでグラウンド整備をして、自分たちでイレギュラーしないグラウンドを作る。ボールが跳ねるのは整備していない我々が悪いんです。

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 で、木材を購入し、のこぎり、釘、金槌、やすりを駆使しトンボを作りました。
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 同期の藤井バスケット隊員も手伝ってくれ、

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 思いもよらず、野球協会会長の旦那さんや息子、

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 そして同僚のコーチたちも手伝いに来てくれて2時間ちょっとで18本も完成しました。

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 大会の説明会にしろ、トンボ作成にしろ、こちらがアイデアを出し、初めの一歩を実行することによって現地の人々が自主的に手伝いに来て、ともに努力していく。隊員だけで1人でやってしまうのではなく、現地の人々がそれに自主的に行動し成長していく。これぞまさに協力隊の活動やな〜としみじみ思いました。

 今日、月曜日、グラウンドに来てトンボが完成していることをみた子供たち(特に日本遠征に行った子供たち)は僕が何も言わなくても練習前におもむろにトンボを使ってグラウンド整備を始める。

 『トモ、ダメだ〜、このグラウンドは日本と違って石が多すぎる〜。』

 『そしたら石拾いを30分しよう。』

 今日は練習の最初の1時間を使って石拾いとグラウンド整備をした。たまにはいいよ、こういうことに時間を割くのも大切や。

 その後ウォーミングアップを終えきれいなグラウンドでノックを始める。うん、やっぱり自分たちできれいにしたグラウンドで野球するのは気持ちいい。そんなノックの途中に事件は起きた。

 外野のフェンスを乗り越えて5・6人の子供ら(10歳から13歳くらい)がこちらに向かってくる。うちの選手らが反応しベンチに戻りバットを握り向かおうとする。

 おいおい。ちょっと待たんかい。こっちはなんやさっぱり意味がわからん。とりあえず止めに入る。選手にバットを捨てて事務所の方に行けと言い、入ってきた奴らには何をしに来たのかきく。おれらの兄弟が殴られたから仕返しに来たと言っている。

 奴らは興奮しきっている、しかも刃渡り15センチくらいのナイフまでもってやがる。おれは大人やし、バットも持っているしおれには振り回してこうへんやろうと考え、とりあえず止めに入る。ほかに大人はいない。うちの選手は刃物を見て事務所の方へ逃げる。

 とりあえずこれで収まったと思ったが、逃げ遅れていたうちの子供がいて、刃物を振り回される。5回ほど振り回されて指を切られ血が流れた。かわいそうだが指の切り傷で済んで本当によかった。そこで他の大人も出てきて奴らは逃げて行った。

 どうやら、うちの選手の言い分によると先週木曜日にうちの選手一人(今日は来ていなかった)が道でそいつらに襲われ物をとられそうになったらしい。そこでやつらを殴り逃げた。その後もやつらは野球場の塀からちょっかいを出し、下半身を出し挑発していたらしい。そしてうちの選手が我慢できずにまた殴ったらしい。その腹いせにその仲間らがきたらしい。

 やつらは学校にも行かず、道でふらふらしている子供たちのようだ。同一犯とは思わないが2カ月ほど前、野球場のすぐ横で白昼堂々強盗が時計を奪おうとし拒否した男性を拳銃で殺した。子どもの水泳の大会に他県から来た保護者で、かわいそうに子供の前でその男性は殺された。最近野球場の周りは本当に危ない。この土曜日も女性が襲われたらしい。全て目の前の道だ。

 コロンビアの貧富の差は半端なくそれが原因で事件は多い。やつらは山裾に住む貧しい地域から下りてくる。元々貧しい家庭に生まれ世の中の理不尽を嘆く。貧しい家庭に生まれて、金がなく親は学校にも生かしてくれない。親に暴力をふるわれて家出するしかない。親が蒸発しどこにいるかもわからない。そんな家庭に生まれ、金持ちもいる町でともに暮らす。理不尽を肌で感じているから、やつらは怖いものなどない。失うものが何もないからやつらは平気で刃物や拳銃を持ち、平気で傷つけそして殺す。

 やつらは悪い。親も悪い。うちの選手が傷つけられてくやしい。でももしおれが、コロンビアのボロ屋に生まれ親に仕事がなく学校にいかしてもらえず、両親ともに蒸発し拾われた家では暴力をふるわれる、そんな境遇やったら自分でどうしているかはわからない。

 理不尽を嘆き、幸せそうに暮らす家族をうらやみ、学校にも通えず未来の希望を失い、その場の空腹をごまかすためにドラッグに走り、理不尽である世の中が悪いという言い訳を作り平気で金持ちを武器を持って襲っていたのかもしれない。

 すべての人間から欲というものがなくならない限り平和は訪れず、それは永遠にこないのであろう。

 刃物を振り回しけがをさせたやつらは悪い。でも奴らだけが悪いわけではない。とにかくうちの選手の怪我が最小限で済んでよかった。でも、野球場の周りで殺人事件が起きたり、少年ギャングが刃物を持って襲ってきたり、自分も拳銃強盗に遭ったり、つくづくここは南米だな〜と客観的にしみじみ思う自分がいる。


posted by 魚 at 11:51| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月18日

小さなお客さん、そしてなんというこのギャップ

 正月ボケのコロンビア。1月はまだまだコロンビア人は仕事をする気がなく・・・、僕はそうは言っていられないので勝手に練習を1人で指導し始め、子供たちと毎日野球して戯れています。活動も残すところ実質7週間かな。まだまだやることいっぱい。

 そんな先週金曜日の練習中に1人の小さなやせ細った女の子とお父さんが練習中の私たちに挨拶がしたいとやってきました。集合!!子供たちを僕が集めるとお父さんが話し始める。

 『この子は私の娘で13歳だ(体はやせ細っていてもっと小さく見える)。いつもあなたたちが練習している野球場のとなりのローラースケート場でローラースケートの練習をずっとしていた(コロンビアではスケートはかなり盛んなスポーツ)。元気だったんだがある時、我が家によくわからない男が侵入しこの子を強姦した揚句、HIVウイルスをうつしたんだ。彼女はエイズを発症しもう数カ月しか生きられないらしい。これから大好きな母親が暮らすボゴタに上がり母親のそばで彼女は人生を終える。カリを出る前にみなさんにお別れの挨拶がしたくてここに連れてきた。どうかみなさん彼女の手を握りお別れのあいさつをしてあげてほしい。』父親は涙ながらに私たちにそう言った。選手や僕と握手を交わし女の子とお父さんは去って行った。言葉にならなかった。なんとか助かってほしい。でも助からないのか??

 その日の練習後、知り合いに誘われてディスコに行く。ディスコ街はいつものように盛り上がり、幸せいっぱいの顔したコロンビア人が今日も踊る、踊る。彼らは日本人より遥かに幸福度が高い。誰もが『コロンビア最高だ!』と言い、コロンビア人として生まれてきたことを喜び、コロンビア人であることに誇りを持っている。昼間のような悲しいニュースや、ゲリラや麻薬・誘拐・治安の悪さそして貧困は日本のそれより遥かに悪い状況にもかかわらず愛国心は異常なほどだ。

 コロンビアにいると、貧しさも富も、明るさも暗さも、安全も危険も、何もかもが背中合わせで、何が正しくて何が間違っているかなんてわからなくなってくる。まあでもそれがコロンビアそのものなのかなと2年近くたってしみじみ思う。

 最初は、言い訳ばかりで仕事をせず、計画も全くたてない、約束なんてあってないようなもの、プライドが高く人の話も聞かない、聞いても自分は努力しない、自己中心で人に迷惑をかけても気にしない、そんなコロンビア人に苛立っていた。でもいつの間にかアミーゴの世界にどっぷりつかりその日その日を全力で楽しみ、仕事よりも家族や恋人を大事にするコロンビアにすっかりなじみ、自分もいい加減な人間になってしまったが、その分コロンビアを好きになりコロンビア人を好きになっていた。あと2カ月少しで日本に戻る。おれは日本人に戻れるか、今後の人生はどうなるのか、少し不安であるが、『ま、そんなもんなんとでもなるようになるわ〜。気にせずコロンビアにいる間はコロンビアを楽しめよ〜。』とすっかりコロンビア人になったもうひとりのおれがお気楽につぶやき眠気が襲ってくる。

 いいことも悪いこともひっくるめて、コロンビア最高。おやすみなさい。
 
posted by 魚 at 13:01| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月14日

2010年始動。そしてあと2カ月。

 みなさん、こんにちは。1か月以上ブログほったらかしですみませんでした。昨日よりやっと今年の練習がスタートしました。スタートしたというより無理やり始めました。というのは・・・。

 コロンビアは国も県も市も新年度の1月に入ってから予算を決め始めるんです。同僚のコーチたちは県のスポーツ局所属でそこから給料が払われるシステムなんですが、1月早々は県の予算が決まってないから契約にサインができないんです。下手したら2月・3月までほったらかし。その分給料は当然払われません。

 要するにコロンビアではスポーツに係わらずいろんなところでいろんな人たちが年初めの1カ月か2カ月、行政の予算が立たず契約できないため働けない。毎年そうやって1カ月から下手したら3か月ほど時間を無駄に過ごすんです。なんじゃそれ、そんなもん12月中に全部やっとけやと思うのが日本人ですがコロンビア人はそうはいかない。なんせ行き当たりばったりですから3日後のことも考えていませんから。行政も同じです。

 じゃあうちの野球はというと昨日は指導者僕1人でスタートしました。ほかのコーチは??他のコーチもサインできなくてもとりあえず教え始めればいいやん??給料はあとでもらえるやろ??というのが日本人感覚でコロンビアでサインする前に仕事を始めると、こいつはタダで働いてくれると判断されサインがどんどん先延ばしになり下手したら半年以上タダ働きをさせられる。ちなみに去年も2カ月に1回(もちろん1カ月分の給料)しか払われなかったらしいです。一番物入りの12月分の給料も払われておらず、当然のように県は払う気がないでしょう。

 もうほんま頼むで〜。日本では当たり前のことが当たり前ではない。でもやりたいことはいっぱいあるし僕の活動もあと2カ月しかないので・・・。あと2カ月でやることは・・・。

 1 看板作り(子供たちが日本遠征で学んだノルマを大きな看板に書きグラウンドに備え付ける。)

 2 トンボ作り(子供たちが自らグラウンド整備ができるように10本のトンボを作成。)

 3 第3回、第4回のコパ・デ・トモ開催

 4 日本遠征の本づくり(子供たちが日本で学んだことを忘れないように、そしていけなかった子供たちも勉強できるように、スペイン語で日本遠征の冊子作り)

 うわ〜、やることいっぱい。なんとかあと2カ月でやりきるぞ〜。

 あ、帰国報告もつくらなあかん・・・。ちょっとエンジンかけていきます。
posted by 魚 at 23:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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