2009年07月25日

片腕の野球少年

 火曜日と木曜日は15・16歳のカテゴリーの県選抜チームを指導している。こいつらがまた、憎たらしくもあり、可愛くもある。

 日本でこの歳と言えば、まだまだ純朴クリクリ坊主野球少年だ。指導されたことを素直に聞く。

 しかしコロンビアは違う。この歳にもなれば、『自分は絶対に間違いを犯さない人間だ。』『常におれは完璧にやっている。』『うまくいかないのは他の奴が悪いか、運が悪いだけ。』というのが基本思考パターンだ。(もちろん個人差はあるが。)

 指導しても『おれはできている。』と言い。

 ほめても『当然だ。』と言う顔をするだけ。

 そんな思考回路を持った、がきんちょのくせに大人ぶったこいつらが、腹立たしくもあり、可愛くもある。

 この県選抜の15歳の中に一人、片腕の野球少年がいる。彼は右手のひじより先の部分がない。何で片腕を失ったのかは聞いていない。

 最初、僕はこの子が片腕でかわいそうだから、他のコーチたちが県の選抜に入れてあげているのかと思っていた。

 しかし、どうやらそうではない。

 実に片腕で野球をうまくやる。

 ポジションはファースト。左手でボールを取り、グラブを右わきにかかえ、とった左手でボールを投げる。実にスムーズにやってのける。全く持って無駄な動作がなく、同じ学年の他の子供たちよりとってから投げるまではむしろ早い。

 すごいやつだな、とその守備を見て思った。しかしまさかバッティングは片腕では打てない、とその時は思っていた。

 しかし、実はこの子、片腕でこの学年の5番バッターらしい。バッティングは左腕しかないため右打席で打つ。左手一本でバットを握り、ひじより先がない右腕をバットに添えて構える。

 そしてボールに対して左手でリードし、うまくバットを振りぬく。ボールは軽々外野まで飛んでいく。

 これには驚いた。目を疑った。

 片腕がないと何をするにも一苦労だ。ボールを同じ左手でとってグローブをはずして投げる。それだけでも大変だが片手で打たなくてはいけないし、走ることだってバランスが取れない。

 その彼がである、なんとピッチャーまでやる。右腕がなくてバランスもとれないだろうに、左腕一本で力強い球をキャッチャーに投げ込む。

 日本でもこんな子みたことない。この学年で3番目くらいにはうまいだろう。

 彼にはいつもこっちが勉強させられる。子供から大人まで言い訳大魔神だらけのコロンビアで、彼は自分が片腕しかないということを一切言い訳にしないし、そういう態度を一切みせない。その姿は本当にかっこいい。

 おれはふと練習中に思う。『この子に両腕があれば、どんなにすごいプレーができるんだろうか?この子に右腕を与えてやってほしい。この子自身、両腕で野球がしたいというもどかしさでいっぱいになることはないのだろうか?』

 そんなことを考えている自分があほらしくなるくらい、彼は黙々と片腕で練習を続ける。

 休憩時間に話しているとただのがきんちょで、日本の小学生くらいの話題しか話してこない。しかし、いざ野球になると大人のしぐさにかわる。

 この子からもっとたくさんのことを学ぼうと思う。コロンビアの人たちもこんないい見本が同じコロンビア人にいるんだから、自分は完璧だなんて思ってないでもっと学んで変わっていこう。

 彼が練習に来るだけでおれは楽しい。

 一切片腕であることを言い訳しない彼の名誉のために実名と写真は控えさせていただきます。
posted by 魚 at 11:44| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月15日

読売テレビ(日テレ系)グッと地球便に出演します。

 ブエノス ディアス!新任地カリ市で公私ともに充実の阪長です。野球指導にダンス教室と毎日元気よく活動しています。まあカルタヘナの後ならどこにいっても充実します。

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 昨日の練習後の他のコーチたちの選手に向かっての言葉『今日もトモはいろいろなことを教えてくれた。おれたちコーチもトモから学びたいと思う、だからお前たちもトモから学ばなければいけない。トモがカリにいてくれることを最大限活かそう!!』いやはや、カルタヘナでは100年たってもこの言葉きけんかった。

 さて、先月カルタヘナでの活動最終週に大阪から『グッと地球便』という番組の撮影スタッフが1週間やってきました。これは関西と名古屋・福岡・大分・青森などで放送されている30分番組で家族から贈り物がコロンビアまで、そしてコロンビアでの活動・生活ぶりをドンドコドンのグッさんと家族が共に見るという番組だそうです。

 そして今週末日曜10時25分から読売テレビ(日テレ系)で放送されるようです。

 家族からも撮影スタッフからも連絡はなく次回予告をたまたま見た友人2人からメールが入ってきて知りました。

 できることなら今の充実したカリでの活動を撮影してほしかったんですが、残念ながらカルタヘナでの撮影。おまけに最終週だったので活動はほとんどしてなかった・・・。まあでもなんとか番組にはなったかな。

 関西や名古屋圏にお住まいの方、日曜日の午前中自宅にいるようなら一度ご覧になってみてください。

 コロンビア少年野球日本遠征プロジェクトはおかげさまで112万5千円を突破。まだまだ募集していますのでよろしくお願いします。

 詳細はhttp://www.colombiayakyu.com/です。

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 この中から日本に行けるのは誰だ〜??

posted by 魚 at 01:48| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月09日

日本遠征!!

 『コロンビアの子供たちを日本へ連れて行って、日本の野球を学ばせたいんです。』

 『お〜、やったらええやんけ。日本でできるだけお金集めてみようや。』

 今年の3月頃やったやろうか、この会話でプロジェクトが始まった。

 コロンビアの野球少年に日本で野球を通じて様々なことを学んでほしい、そして日本のみんなにもコロンビアのこともっともっと知って彼らの人生観から何かを学んでほしい。

 それが僕の気持ちです。

 プロジェクトの寄付集めを中心になってしていただいているのは私が日本でいつもお世話になっている方々です。

 京都創成大学野球部監督      小林敬一良さん
 ロサンゼルスドジャーススカウト  小島圭市さん
 プロスペクト(株)代表取締役   瀬野竜之介さん
 青年海外協力隊OG        香川万紀さん
 
 以上4名が発起人になってくださり、和田政宗さんや、明訓野球部同期の長谷川靖に事務局として準備していただいています。また明訓高校の佐藤監督にもアドバイスをいただきながらやっています。

今年の10月頃コロンビアの野球少年たちを日本に連れて行くべくプロジェクトは今まさに進行中。

 コロンビアと言えば、世界有数の貧富の差が激しい国、ゲリラ・麻薬、そして治安も悪い。そんな中彼らは貧しい生活から家族を救うべくアメリカンドリームを夢見て白球を追っている。

 しかし、体格には恵まれているもののコロンビアの野球は、そして文化・教育はまだまだ途上国のそれで、子供たちは持てる力を発揮できていない。特に今いるカリ市の野球が正にそうである。

 そんな子供たちに日本で野球に触れさせたい。日本の文化に触れさせたい。スペイン語を全く話さない日本で言葉の通じない世界で、自ら学び何かを得てもらいたい。

 カリ市に来て早速準備に取り掛かり、先週から選抜チームの練習をスタートさせた。現在週3回プラス土日の週5回彼らと野球をしている。その他の2日はクラブチームの指導で金の卵を探している。

地球の裏側から日本までは安いチケットが買えれば1人20万円。今教えている中の全員はつれていけないが、子供達にはこれを機会に切磋琢磨して共に成長してほしい。

 みなさんの暖かいご支援をいただき募金活動開始から2カ月弱で110万円を突破しました。今までに寄付いただいた方々本当にありがとうございました。

 ここの子供たちは確実に変わってきていると思う。練習に向かう姿勢、目が変わってきた。練習時間を守れるようになってきた、ゴミをグラウンドに捨てなくなってきた、グラウンド内を歩かなくなってきた、道具を大事に扱うようになってきた。当たり前のことが当たり前にできるようになってくると、練習にも集中できるようになってきた。そしてみんな一歩ずつ成長できていると思う。

 成長していく子供たちに接するからこそ、一人でも多くの子供たちを日本に連れて行きたい。大阪の知人を中心に8月20日ころまで寄付集めを続けていただく予定。

 みなさんのお気持ちお待ちしています。

コロンビア少年野球プロジェクトURLhttp://www.colombiayakyu.com/

 最後に余談だが、練習終了後、最近ダンス教室に通い始めた。カリはサルサの本場やしいろんな種類の中南米の踊りが学べる。しかし練習後、はやめに夕食をとり、2時間踊って帰ってくると、寝る頃にお腹がすいてどうしようもない。現在夜中の2時半過ぎ。こんな時間に日記を書いているのはお腹がすいて眠れないから。コロンビアには日本のようにコンビニはないし、まずあってもカリで夜中2時半に一人で出歩くなんて自殺行為。こんな時つくづく日本はいいなと思う。

 写真を撮ろうとカメラを持って球場に行くも、練習に熱中しついつい取り忘れる日々です。近いうちに載せます。

 今回日本の知人を中心に寄付集めをしていただいてコロンビア側を招待していただくという形でやっています。この企画に賛否両論あろうかと思いますが、何よりコロンビアの野球少年のためにも暖かく応援していただければと思います。
posted by 魚 at 01:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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